大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(あ)1316 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を仙台高等裁判所に差戻す。

理 由

職権をもつて調査するに、公職選挙法二二一条三項にいう「公職の候補者」とは、

同法の規定にもとづく正式の立候補届出または推薦届出により候補者としての法律

上の地位を有するに至つた者をいうものと解すべきであり、未だ正式の届出をしな

い、いわゆる「立候補しようとする特定人」を包含しないものと解するを相当とす

ることは、既に当裁判所の判例とするところである(昭和三四年(あ)第一一九〇

号同三五年二月二三日第三小法廷判決、刑集一四巻二号一七二頁)。しかるに、原

判決の是認する第一審判決によれば、被告人は昭和三四年四月二三日施行の岩手県

議会議員選挙に際し、花巻区から立候補することを決意し、自己の当選を得る目的

をもつて、立候補届出前に、原判示の供与及び選挙運動をなした旨認定し、被告人

の右供与の所為に対し、公職選挙法二二一条三項を適用し、これにつき併合罪の加

重をなし処断しているのである。従つて同条項にいう「公職の候補者」には「立候

補しようとする特定人」も含まれるものと解した第一審判決には、法令の解釈適用

を誤つた違法があり、これを看過した原判決は、上告趣意に対し判断するまでもな

く、刑訴四一一条一号により破棄を免れない。

よつて刑訴四一三条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

検察官 山内繁雄出席

昭和三五年一二月九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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